加部歯科医院の歯周病治療
歯周病治療の目的は、グラグラしたり出血したりすることなく、安定して噛める状態を取り戻すことです。
しかし、ただ今ある歯周病が治れば良いというものではなく、治療の結果によっては再発したり、歯が長く見えて審美性が損なわれたりする可能性もあります。
加部歯科医院は、10年・20年先も自分の歯で自信を持って噛める未来を守るために、審美性はもちろん、予防・メンテナンスまで考えた歯周病治療を行っています。
加部歯科医院の歯周病治療の診療方針
患者様とのコミュニケーションを大切に考えた歯周病治療
歯周病治療だけに限った話ではありませんが、当院が何よりも大切に考えているのは、患者様とのコミュニケーションです。
まずは今あるお悩みや歯周病治療に対する不安、治療後どのような状態を目指したいかなど、お困りごと・ご希望をしっかりと伺います。そして、その内容と検査の結果を踏まえて立案した歯周病治療プランを丁寧にご説明し、ご納得いただいた上で治療を進めます。
「もしかしたら歯周病かもしれない」とお悩みの方はもちろん、症状が出ていなくても不安を感じている方は、どうぞお気軽にご相談ください。
より良い歯周病治療を目指し、長期的な歯の健康を実現
当院では、患者様により良い歯周病治療をご提供するために必要だと考え、マイクロスコープやレーザーなどの高性能機器や、歯周組織再生療法※をご用意しています。
できる限りご自身の歯を残すことを目指しながら、治療時の痛み・腫れや、治療後に歯が長く見えてしまうリスクを最小限に留めて治療を進めます。
また、歯周病の予防・治療後のメンテナンスも重視しています。歯周病や虫歯の進行を抑制する効果があるPMTC(歯のクリーニング)は、専用の器具を用いて、毎日の歯磨きでは落としきれない歯垢を除去するメニューです。
生涯にわたってご自身の歯を大切にし、豊かな人生を送っていただくために、歯周病治療そのものから、治療後の長期的な健康を維持するために大切なメンテナンスまで、丁寧にサポートさせていただきます。
※ 歯周組織再生療法(自由診療)
【主な副作用とリスク】人工的な移植材料や生体由来の材料を使用することがあります。これらの材料に対してアレルギー反応や拒絶反応が起こる可能性があります。また、外科的な手術が伴うため、1週間程度、腫れ、痛みが発現し痛み止めでコントロールすることがございます。
加部歯科医院の歯周病治療の特徴
治療法を組み合わせ、抜歯を宣告された歯も可能な限り保存
歯周病が進行し、歯を支えている骨が溶けると、抜歯をすすめられることがほとんどです。一度失われた骨が自然に元の状態に戻ることはないので、仕方がありません。
しかし、歯の周りの組織を回復できる歯周組織再生療法であれば、抜かずに、しかも審美性も保ちながら歯を残せる可能性があります。
加部歯科医院では、エムドゲイン・リグロスによる歯周組織再生療法や、人工骨、抗生剤、そして術後の負担軽減にも効果的なレーザー治療等を、患者様の歯の状態に合わせて組み合わせています。症状によってはマイクロスコープ(歯科用顕微鏡)も使用し、治療精度の向上を実現しました。
「抜くしかない」と言われてしまった歯を救うために編み出した、独自の治療法です。
「咬み合わせ認定医」による、噛み合わせにも配慮した治療
実は密接に関係している、噛み合わせと歯周病。噛み合わせが悪く、一部の歯に強い力が加わると、歯の周りに「咬合性外傷」という炎症が起こることがあります。歯周病の炎症と重なると、歯や歯茎・歯を支える骨などの組織がダメージを受け、急速に破壊されます。
当院では、歯周病治療を行うにあたり、噛み合わせによる炎症への配慮は必要不可欠だと考えています。せっかく歯垢・歯石を取り除いても、噛み合わせが原因で炎症が起きると、歯周病が進行しやすい・再発しやすい状態になってしまうからです。
加部歯科医院には、日本顎咬合学会の「咬み合わせ認定医」が所属。認定医の立場から総合的に診断し、噛み合わせの状態に合わせた歯磨き指導や、かぶせ物(歯冠修復物)を用いた噛み合わせの調整など、歯周病の原因の1つである「噛み合わせ」にも配慮した治療を行います。
歯周病リスクの診断も!入念な検査・カウンセリング
もちろん、治療に入る前の検査・カウンセリングも重視。歯周病は自覚症状の少ない疾患ですから、検査による客観的な分析が大切です。
加部歯科医院の歯周病検査では、レントゲン写真の撮影に加え、歯周ポケットの深さや出血の有無、歯の動揺はあるか、噛み合わせに異常はないかなど、様々な項目を入念にチェックします。
カウンセリングでは、患者様の現在のお悩みや気になる点などを詳しく伺い、治療の目標を共有します。
口腔内・外の検査の結果とカウンセリングの結果を基に、治療計画を立てていきます。
基本検査項目
- 問診(既往歴など)
- 口腔内写真撮影
- 口腔内の清掃状態
- 歯肉の形態と色調
- 出血・排膿の有無
- 歯周ポケットの深さ
- レントゲン撮影(顎の骨の確認)
- 歯の動揺の度合い
- 知覚過敏
- 口呼吸をしているか
- 顎関節診査 など・・・
細菌検査で歯周病リスクを診断
さらに詳細な検査をご希望の方には、より正確に歯周病の状態を把握できる細菌検査もご案内しています。
例えば初期の歯周病では、まだ歯周ポケットなどの視認できる変化がそれほどありません。しかし、一見炎症が少なく問題のなさそうな状況でも、歯周病の原因となる細菌が増殖していることがあります。
また、一般的な慢性歯周病とは違い、症状が急速に進行する歯周病も存在します。
細菌検査を行うと歯周病の進行リスクの診断が可能になるため、無駄のない治療計画を立てることができます。
細菌検査は、唾液を採取して口腔内の虫歯菌の数や歯周病原因菌を調べる方法です。痛みの心配はありません。
メンテナンスで歯周病の再発を徹底予防
歯周病は一度治ったとしても再発しやすく、適切なホームケアを怠ると、たった3ヵ月で取り除いた細菌が元に戻るというデータもあります。そのため、再発を防ぐための定期的な処置が重要です。
加部歯科医院では、処置と同様にレントゲン撮影も行い、治療前・治療後・メンテナンス中の歯や顎の状態を確認し、治療の評価・今後の予測を行いながら、予防の計画を立てていきます。
普段の歯磨きでは歯の汚れは65%位しかとれていないので、歯垢が溜まりがちな場所や、ブラッシングでは落とせない歯石は、定期的に歯科医院で取り除く必要があります。
当院ではスケーラーや、歯間ブラシなど使用して汚れを落とすほか、より効果の高い歯のクリーニング(PMTC・エアフロー)も行っています。
歯科衛生士は担当制です。噛み合わせ・治療の経過はもちろん、普段の歯磨きの癖も考慮しながら処置を進めます。
歯垢・歯石がたまりにくい歯の状態を目指して、チームで一丸となって歯周病の再発予防に努めています。
歯周病の発生率を大幅に抑えるPMTC
加部歯科医院で行っているPMTCとは、毎日のブラッシングでは落としきれない歯垢や汚れを、専用の器具を用いて徹底的に落とす処置です。
PMTCは「プロフェッショナル・メカニカル・ティース・クリーニング」の略で、「専門家による・専用の機械を使った・歯の・クリーニング」という意味があります。
PMTCには、歯周病(歯槽膿漏)・口臭の予防、虫歯・知覚過敏などの進行を抑制する効果があります。スウェーデンでは、「PMTCを行っている患者は、虫歯・歯周病の発生率が半分以下まで下がる」というデータが報告されています。
インプラントも傷つけない!細菌も着色汚れも落とすエアフロー
加部歯科医院では、PMTCの処置に「エアフロー」を使用しています。超微細な粒子とジェット水流を歯面にあてることで、歯をきれいにする機器です。
エアフローは、喫煙によるヤニや、茶渋などによる着色を除去するのに適しています。当院が導入しているスイスEMS社製エアフローであれば、歯に強固に付着した細菌の塊を落とすこともできます。
エアフローによるPMTCの場合、通常用いる研磨剤ではなく、特殊なパウダーを使用します。セラミック製のかぶせ物やインプラントが入っていても、表面を傷つける心配なく清掃できます。
加部歯科医院の歯周病治療法
歯周病治療の流れ
①
検査・カウンセリング
②
症状に合わせた歯周病治療
③
定期メンテナンス
歯周病治療の方法は、歯周病の進行度合い・症状によって変わります。
具体的な進行度は、治療に入る前の検査で炎症の範囲や歯周ポケットの深さなどを丁寧に確認して判断します。
歯周病の進行段階
治療後は定期的にメンテナンスを行い、再発を予防します。
歯肉炎・軽度の歯周病への治療
歯周病は、歯周病原性細菌という細菌の繁殖による感染症です。歯肉炎や軽度歯周病など、歯周病の初期段階の場合、細菌の塊であるプラーク(歯垢)が増えないようしっかりとコントロールする「プラークコントロール」ができれば、症状の改善は難しいことではありません。
そのため、歯肉炎・軽度の歯周病に対する治療の目的は、プラークの繁殖を抑え、毎日の歯磨きで歯周病を改善できる状態を作り出すこと。歯磨き指導と、歯科医院での歯石・歯垢の除去、歯肉・歯根の細菌除去(スケーリング・ルートプレーニング)が必要です。
歯磨き指導
歯磨き指導では、患者様の歯磨きの癖や、力の使い方について客観的に把握していただきます。
患者様はそれぞれ歯並びが違います。また、それぞれに磨き方の「癖」があり、人によって歯垢・歯石の溜まりやすい場所というのは異なります。
「磨いている」と思っていても「磨けている」とは限りません。むしろ、熱意のあまり力が入りすぎてしまっているようなケースもございます。
加部歯科医院では、患者様の歯並びや歯磨きの癖を踏まえて、適切なブラッシングができるよう指導させていただきます。
スケーリング・ルートプレーニング
「スケーリング」とは、歯ブラシを使った日々のブラッシングでは落とすことのできない歯石や、どうしても溜まってしまう部位の歯垢を、超音波スケーラーやグレーシースケーラーといった専門器具を用いて取り除くことです。
同時に行う「ルートプレーニング」は、細菌に汚染された歯の表面をツルツルにして、歯垢が溜まりにくい環境を作るための処置です。なおルートプレーニングでは、歯肉・歯根の表面の毒素も除去します。
歯磨き指導とスケーリング・ルートプレーニングによって、適切なプラークコントロールができるようになると、歯茎の腫れ・出血といった歯周病の症状は、少しずつ改善されます。
中等度以上の歯周病の治療
中等度以上に歯周病が進行すると、目で見えている部分(歯茎より上、歯肉縁上)だけでなく、歯肉の溝(歯周ポケット)の中の、歯の根の周りにも歯石や毒素が付着してしまいます。
歯石はスケーラーを用いて落としますが、歯周ポケットの奥深くに付着した歯石には、スケーラーが届きません。場合によっては、歯茎を切開して歯石を取り除く必要があります。
また歯周病が進行すると、歯肉の中にも歯周病菌の毒素が入り込んでいる場合もあります。この場合、問題のある歯肉を切除すれば歯肉内の細菌はいなくなりますが、それでは歯肉もなくなってしまうので、歯が長く見えてしまうなどの問題があります。
レーザーなら歯茎を切開せずに治療可能
加部歯科医院では、歯周病治療にレーザーも用いています。
レーザーを照射すると、歯根・歯肉の溝や、歯肉内で繁殖した細菌の活動を弱めることができます。同時に、レーザーの効果で免疫力が高まります。
レーザーの光は複雑な形をした歯周ポケットの奥にも届くので、歯茎の切開・歯肉の除去をすることなく、細菌を取り除けるようになりました。
レーザーと聞くと「痛そう」と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、中等度以上の歯周病治療は麻酔をかけた上で行うため、心配ありません。
また、仮に重度の歯周病で切開を避けられないという場合にも、レーザーを併用すると、レーザーの熱の持つ治癒促進効果によって、術後の治りも良く痛みも抑えられます。
レーザーとマイクロスコープを組み合わせ、術後の負担を軽減
重度の歯周病によって失われた組織を回復する方法である、歯周組織再生療法。こちらで歯周組織を再生させることができれば、歯を残せる可能性があります。同時に、日々の歯磨きでプラークを除去できる、歯周病が改善しやすい環境を作ることができます。
通常、歯周組織再生療法を行うには歯肉を切開する必要があります。治療効果が非常に高いとはいえ、切開による痛みや腫れが残ってしまう点は課題でした。
そこで加部歯科医院では、術後の治癒を促進するレーザーに加えて、症状に応じてマイクロスコープ(歯科用顕微鏡)を用いる独自の治療法を編み出しました。マイクロスコープを使用することで、治療精度が飛躍的に向上します。
抜歯を防ぐだけではなく、お痛み・腫れのリスクも大幅に減らす独自の術式で、歯周病治療の負担を軽減しています。