予防歯科クリーニング(PMTC)

予防歯科クリーニング(PMTC)

歯医者には歯が痛くなってから通うもの、と思っていませんか?
実は、虫歯・歯周病の「発症予防」こそが歯科医院の大切な役目。
加部歯科医院では、発症予防のための歯のクリーニング(PMTC)を行っています。

一度削った歯や失った歯を元に戻すことはできませんが、発症予防を本格的に行えば、将来のためにより多くの健康な歯を残すことが可能になります。

歯の大きな治療が終わったという方、あるいは現在目立った自覚症状が無いという方も、今から定期的な歯のクリーニング(PMTC)を始めましょう。

加部歯科医院  伊藤一真

記事監修医師

歯科医師 伊藤 一真
咬み合わせ認定医(日本顎咬合学会認定)/ 歯内療法学会/歯周病学会/顎咬合学会/ 日本臨床歯科学会(SJCD)東京支部/第二種歯科感染管理者

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予防歯科クリーニング(PMTC)とは?

歯科専用の機械で虫歯・歯周病の原因菌を、時間をかけて丁寧に除去

歯科専用の機械で虫歯・歯周病の原因菌を、時間をかけて丁寧に除去

PMTCとは「プロフェッショナル・メカニカル・ティース・クリーニング」の頭文字で、「専門家による・専用の機械を使った・歯の・クリーニング」という意味です。

予防歯科先進国のスウェーデンで生まれた歯のクリーニング方法であり、虫歯や歯周病の原因となる細菌とその塊である歯垢(=バイオフィルム)を落とすことが目的です。
保険診療で行う簡易クリーニングとは違い、PMTCは時間をかけて1回で丁寧かつ徹底的に行うのが特徴です。


PMTCの目的は、歯磨きでは落とせない歯垢を落とすこと

毎日3回歯を磨いているから大丈夫だ、という方もいらっしゃると思います。
しかしどんなに上手でも、歯垢を歯磨きだけで完全に取り除くことはできません。
歯垢はバイオフィルムというヌメヌメを形成し、歯に強固に付着していることもあって、歯肉の溝の中、奥歯や歯と歯の間、歯並びの悪い部分など歯ブラシの届きにくいところでは歯垢が残りがち。

例えば歯と歯の間では歯ブラシのみでの歯垢除去率は6割程度で、デンタルフロスを併用してもおよそ8割に留まります。

バイオフィルムのヌメヌメは抗菌薬や殺菌剤ですら跳ね返すバリアのような役割を果たしており、磨き残した歯垢はバリアに守られながら、虫歯や歯周病の進行を促進してしまいます。

しかし、歯科で行うPMTCであれば、歯科衛生士が実際にお口の中を見ながら掃除をするため、ほぼ完全に歯垢を取り除くことができます。

PMTCによる歯間部の歯垢除去率

出典:「歯間清掃具によるプラーク除去効果の臨床的検討」日本歯科保存学雑誌,48,272-277(2005)

数か月に一度のPMTCを毎日の歯磨きにプラスして、磨き残した歯垢を徹底的に除去すれば虫歯や歯周病になる可能性をぐっと抑えることができます。

ブリッジやクラウンなどの被せ物が入っている方、インプラント治療を行なった方、矯正治療中の方など、どうしても磨きにくい場所が生まれてしまう方には特に、予防のためのPMTCをおすすめしています。

予防歯科クリーニング(PMTC)を受けるメリット

PMTCは虫歯・歯周病の発生率を大きく抑える

PMTCは虫歯・歯周病予防に多大な効果を発揮します。

以下の2グループに分けて比較し、PMTCの効果を調査した研究があります。
A.6年間、1年に1度の検診と必要に応じての治療を受けたグループ
B.はじめの2年間は毎月・その後4年間は3か月ごとにPMTCを受けたグループ

虫歯では、AのPMTCを受けなかったグループは6年間で平均14歯面に虫歯ができたのに対して、BのPMTCを受けたグループはなんと0.2歯面に虫歯が発生しただけでした。

PMTCの虫歯予防効果
PMTCの歯周病予防効果

歯周病でも、PMTCを受けなかったグループは6年間で歯周ポケットの深さが1.2mm深くなったのに対し、PMTCを受けたグループはむしろわずかに歯周ポケットが回復しています。


歯を健康に保って生涯医療費を削減

予防のためのクリーニングは原則保険が適用されないため、一見高額に感じてしまうかもしれません。
しかし、歯のメンテナンスに通い続けた人の方が、そうでない人に比べて歯科以外も含む年間医療費が低く抑えられているということが指摘されています(愛知県豊田市トヨタ関連部品健康保険組合と豊田加茂歯科医師会の共同調査より)。

口腔内だけを見ても、抜歯後に元通り咬めるように治療すると治療費が高額になるように、歯を多く失えばそれだけ治療費が大きくなってしまうことは想像に難くありません。

しかし、歯の病気は口腔内の問題だけにとどまらず、全身の病気にも関係しています。そのため生涯医療費に差が生まれます。
中でも、歯周病と糖尿病の関係が有名ですが、それぞれがお互いを悪化させ悪循環を引き起こしてしまいます。他にも、認知症やメタボリックシンドロームなどとの関係性も指摘されています。

このように将来の健康の鍵は歯の健康にあると言っても過言ではありません。
加部歯科医院では患者様がいつまでもご自身の歯で食事や会話を楽しみ、健やかに過ごせるように、発症予防の観点からお手伝いさせていただきます。

加部歯科の予防歯科クリーニング(PMTC)はエアフローがポイント

エアフローはインプラントやかぶせ物を傷つけない

エアフローはインプラントやかぶせ物を傷つけない

通常のPMTCでは研磨剤を使用して歯垢を除去していきます。
天然歯であれば、表面のエナメル質は自然に修復する力を持つため問題ありませんが、インプラントや、金属・セラミックなどの詰め物・かぶせ物に対しては、ほんのわずかではあるものの傷をつける可能性がありました。

そこで、加部歯科医院ではエアフローを導入しています。
エアフローは水と超微細なパウダーをウォータースプレーで吹き付けて、歯の表面やにこびりついた歯垢を取り除きます。特殊なパウダーを用いることで歯面へのダメージがより少なく済むため、インプラントやセラミックにも傷をつける心配がなく、定期的な予防ケアに最適です。

さらに、歯の着色汚れを落としてきれいにする効果もあります。喫煙によるヤニや、茶渋などの着色汚れが気になる方におすすめです。

予防歯科クリーニング(PMTC)の料金

標準的な予防クリーニング
PMTCスタンダードコース
1回(検査込)¥11,000
インプラントなど歯周病リスクの高い方に
PMTCプレミアムコース
1回(検査込)¥17,600

※予防歯科クリーニング(PMTC)は歯の治療の終わった方、治療の必要がないと診断された方が受けられます。初診時に、虫歯等の歯科処置の必要性が見られた場合は、まずは治療を優先させていただきます。予めご了承ください。

予防歯科クリーニング・PMTCのよくある質問

Q

予防歯科クリーニング(PMTC)はどれくらいの間隔で受診すればよいですか?

A

3か月から半年に1回の受診をおすすめしています。
細菌は一度綺麗に除去しても、日々の磨き残しなどから再び徐々に繁殖して、元に戻ろうとします。磨き残した歯垢は、時間が経つと唾液中の成分と反応して歯石へと変化してしまいます。
歯石になるとセルフケアでは決して取ることはできません。歯石表面はデコボコしているため歯垢が溜まりやすくなります。
このように時間の経過とともに歯周病リスクも高まっていくため、PMTCも定期的に受けていただくと効果的です。

Q

PMTCに痛みはありますか?

A

PMTCは痛みを伴いません。施術後にはむしろ「口の中のネバネバが減って、さっぱりして気持ちが良かった」「歯がツルツルして嬉しい」というような好評を多くの方からいただきます。
それでも「痛みに敏感だから不安…」という方にも安心していただけるように、加部歯科医院では丁寧なPMTCを心がけておりますので、ご安心ください。

まずお気軽にご相談ください

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03-3261-1569

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