ガミースマイル治療
「笑いたいときに、思い切り笑うことができない」
「笑ったときに歯ぐきが見えてしまうことが気になる」
「素敵な笑顔に変わりたい」
あなたは、このようなお悩みを抱えていませんか?
笑ったときに歯ぐきが大きく見えてしまう笑顔をガミースマイルといいます。
ガミースマイルの原因は1つの要素の場合もあれば、さまざまな要素で起きる場合もあるといわれています。
ガミースマイルとは
ガミースマイルとは、笑うときに歯ぐきが見えすぎてしまうことをいいます。一般的には、笑ったときの歯ぐきが3mm以上見えてしまうと、ガミースマイルといわれることがあります。
歯ぐきが見えすぎて自分の笑顔に自信が持てないというお悩みで来院される患者様も少なくありません。歯科医療により、口元をキレイにするのみならず、健康な歯を保ち続けることも期待できます。
ガミースマイルをそのままにすると
ガミースマイルの方の中には、歯並びや噛み合わせの問題をかかえている患者様もいます。それによって食べかすやプラーク(細菌のかたまり)が残りやすくなり、その部分から細菌が広がってしまうことで虫歯や歯周病など、歯の病気のリスクが高まってしまうこともあります。
一般的にいわれる魅力的な笑顔とは
「魅力的な笑顔」の基準は人それぞれではありますが、一般的に以下の条件を満たしていると『魅力的な笑顔』といわれるケースが多いです。
- ・歯の縦横のバランスが良いこと(縦横比75~80%)
- ・上の前歯が下唇に沿っていること
- ・笑った際、歯ぐきの見える範囲が3mm以内であること
- ・歯ぐきの色が淡いピンク色であること
慎重に診察を行う重要性について
ガミースマイルの原因は、複数の要素があります。そのため、慎重に診察を行っていくことで原因を特定させる必要があります。
偏った診察による治療計画で進めてしまうと、ガミースマイルの改善が困難になる他、歯の病気のリスクも高まります。治療後も、健康な歯を保ち続けるためにも慎重に原因を特定する必要があります。
ガミースマイルの原因の構成要素
ガミースマイルの診断
ガミースマイルを治療するためには、ガミースマイルの原因や患者様の要望に合わせて適した治療計画を立てなくてはなりません。まずは以下の方法で診察を行い、ガミースマイルの原因を正しく特定していきます。
- ・歯ぐきと歯の境界線から歯をはめ込む穴となる骨の頂点までの長さを測定
- ・歯の表面(エナメル質)となる歯冠部と歯根部境界線の位置を、X線撮影で確認
- ・口唇の検査
- ・骨格の検査
- ・歯周ポケットの検査
- ・生活習慣や服用している薬についての問診
口唇が原因
上の口唇の過剰な引き上がり
口唇が通常よりも引きあがってしまう原因は、上の歯と頬の内側粘膜との空間が広いことにあります。
口唇が通常よりも薄いこと
口唇が薄い場合、歯ぐきを覆うことができないためにガミースマイルになってしまいます。
骨が原因
歯ぐきは上顎の骨と連動しているため、上顎の骨が通常よりも長いことで歯ぐきがむき出しになることがあります。骨格や歯並びは、遺伝的な要素も含まれるため、ガミースマイルも同様に遺伝による影響を受けている場合もあります。
①受動的萌出の不全
受動的萌出の不全により、歯が歯ぐきに覆われてしまう状態になります。歯冠長(歯が見える長さ)の丈が短く見えてしまい、歯と歯ぐきの見え方としてバランスが乱れ、ガミースマイルの原因になります。
※受動的萌出永久歯に生え変わるときに、歯ぐきのラインが歯の根っこの方向に移動することで歯と歯ぐきのバランスが適切になります。
②歯の削れ・割れによる上顎骨の過萌出
睡眠の質の低下やストレスなどの生活習慣が原因で、歯ぎしりや食いしばりをしてしまい、歯の削れや割れが起こりうる場合もあります。歯の削れや割れが起きると、歯が噛める状態を保とうとするため、歯の削れや割れ具合で上顎骨が下へ伸びていきます。上顎骨の伸びに連なって歯ぐきも下へ伸びていくため、ガミースマイルの原因になることがあります。
③上顎骨の前突
上顎骨の前突により、口唇が引き上がりやすいことが原因にあります。
歯ぐきが原因
歯ぐきの腫れ、薬の副作用による歯肉増殖症が原因にあります。歯の表面につく細菌が出した内毒素が原因により、歯ぐきが腫れることで、歯冠長(歯が見える長さ)が短くなってしまいガミースマイルの原因になります。
①歯周病
歯周病原菌が出す毒素や歯石によって、歯ぐきが腫れてガミースマイルの原因になることがあります。
②薬の副作用による歯肉増殖症
抗けいれん薬やカルシウムチャネル遮断薬、免疫抑制剤などの副作用により歯肉が増殖することでガミースマイルの原因になります。
③受動的萌出の不全の影響
歯ぐきは骨の形に連動しています。受動的萌出の不全により、歯が歯ぐきに覆われてしまう状態になります。歯冠長(歯が見える長さ)の丈が短く見えてしまい、歯ぐきとのバランスが乱れてしまいガミースマイルの原因になります。
ガミースマイルの治療方法
上口唇移動術
上口唇移動術とは、歯槽骨(歯をはめ込む骨)の粘膜と上口唇の粘膜を縫合することにより、頬粘膜の頂点から上の歯までの距離を短くする治療方法です。それによって笑ったとき、上口唇の引き上がりを抑えることができ、ガミースマイルの改善に繋がります。
【費用目安】330,000円〜550,000円
【リスク・副作用】出血、腫れ、痛みなどがあります。個別の症例によっては、手術による唇の感覚の変化や表情の制限などが生じる可能性があります。
歯槽骨整形
歯槽骨整形は、歯ぐきだけでなく歯槽骨も削って整えることにより、歯肉の後戻りを防ぐ治療方法です。歯ぐきと歯槽骨を整えて縫い合わせることで歯ぐきの異常な長さを改善できます。
臨床的歯冠長延長術(クラウンレングスニング)
歯肉切除や歯槽骨整形を行うことで歯冠長(歯が見える長さ)を延長させる治療です。主に、受動的萌出不全によって歯冠長(歯が見える長さ)が短いことが原因で起こるガミースマイルに用いられる治療方法です。
【費用目安】220,000円〜880,000円
【リスク・副作用】出血、腫れ、痛み、感染などがあります。歯の神経に影響を与える可能性があるため、神経症状(過敏性や痛み)が生じる場合もあります。
フラップ手術
歯肉弁(歯ぐきの最も先端の部分)を、歯の根の方向へ移動させます。そして、歯周ポケットを浅くして、通常の歯冠長(歯が見える長さ)にすることでガミースマイルを改善する治療方法です。
【費用目安】110,000円〜880,000円
【リスク・副作用】出血、腫れ、痛み、感染などがあります。歯の神経に影響を与える可能性があるため、神経症状(過敏性や痛み)が生じる場合もあります。
歯肉切除(歯ぐきの整形)
歯と歯ぐきの境界線を半円形のカーブ状に描けるように歯ぐきを切除します。余った歯ぐきや歯に被ってしまっている歯ぐきを切除することで歯の大きさを整えます。
【費用目安】110,000円〜440,000円
【リスク・副作用】出血、腫れ、痛み、感染などがあります。歯ぐきの形状やラインに対する個人の感じ方の違いにより、結果が期待通りにならないこともあります。
上顎骨切除
上顎骨を水平方向に切除して上の歯を引き上げることで歯ぐきが見えないようにします。
【費用目安】専門の医療機関にご紹介させていただきます
【リスク・副作用】出血、腫れ、痛み、感染、顔面の感覚の変化などがあります。手術により、上顎の形状や噛み合わせが変化する可能性があります。
歯列矯正治療によるガミースマイル治療
マウスピース矯正(インビザライン矯正等)
前歯の前突でガミースマイルになってしまっている場合に、マウスピース矯正(インビザライン矯正等)での改善が可能な場合もあります。
【費用目安】660,000円〜1,100,000円
【リスク・副作用】初期の違和感や言葉の発音に影響があることがあります。また、マウスピースの使用中に口内炎や口臭の発生する可能性があります。
ワイヤー矯正
金属ブラケット、もしくは、透明タイプのセラミックブラケットを歯の表面に接着させ、ワイヤーを通すことでガミースマイルを改善していくこともあります。
【費用目安】1,100,000円〜1,650,000円
【リスク・副作用】口内の潰瘍や痛み、むし歯のリスクがあります。
インプラント矯正(矯正用アンカースクリューを用いる歯列矯正)
マウスピース矯正やワイヤー矯正に加えて「アンカースクリュー」という小さなネジを歯槽骨に埋め込みます。それによって、従来よりも強い矯正力を働かせることができます。また、歯列を後ろへ下げたり上へ引き上げたりすることを可能にしています。インプラント矯正により、骨格や歯を正しい位置へ整えることでガミースマイルを改善していきます。
【費用目安】1,210,000円〜1,760,000円
【リスク・副作用】手術に伴う出血、腫れ、痛み、感染などがあります。また、アンカースクリューの挿入による骨や周囲の組織への影響や問題が発生する可能性があります。
クラウン(被せ物)やラミネートべニアによる歯の形態や色調の調整
ガミースマイル治療の仕上げとして、最後にクラウン(被せ物)やラミネートべニアを用いることで、歯の大きさや形、色を審美的に整えます。
ガミースマイル治療の流れ
STEP.1 診察、治療計画の立案
治療前に患者様のお口の状態を確認いたします。様々な方法から診察を行っていき、ガミースマイルの原因を特定し、患者様に合った治療方法や計画を立案いたします。
STEP.2 治療
STEP.3 治療後のメンテナンス
ガミースマイルの治療は、複雑な治療であるため、治療後のメンテナンスが重要です。強く歯を磨いてしまったり細菌が多く残ったりしてしまうことは、お口の健康を保てなくなってしまいます。経過観察を徹底することで、お口の健康を保つことができる取り組みを行います。
ガミースマイル治療後に注意すること
これらは一般的な注意事項ですが、治療内容によっては細かく患者様にお伝えいたしますので、ご安心ください。
1.食事は麻酔が切れてから
治療後のお口の中は、治療中の麻酔で感覚がにぶってしまうため、誤って頬を噛みきってしまう可能性もあります。それを防ぐために、お口の中の感覚が戻ったと感じるまでは食事を控えるようにしましょう。
2.治療した部分の歯みがきはやさしく
治療した部分には、麻酔が効いていたり傷口のようになっていたりする場合もあります。傷を深めないためにも、歯ブラシを強く当てず、やさしく歯みがきを行いましょう。
3.激しい運動を控えること
運動により、意図もせずに血流が早くなってしまい、出血をもたらす可能性もあります。特に、骨を削り取った治療を受けた患者様に当てはまります。
治療後の運動や体に負担がかかることはできる限り控えましょう。
4.治療後の予定はゆとりをもつこと
歯ぐきを切開した場合、数日間腫れることがあります。大切なご予定の直前は避けるように、ゆとりを持った予定を組むようにしましょう。
ガミースマイル治療を行うメリット
自信に溢れた笑顔になれる
ガミースマイルのままでいたら、人前で笑顔を見せられない、写真の写りが悪いなどでお悩みの方は多いのではないでしょうか。ガミースマイルを治療して口元や歯をキレイに改善することで、笑うことに対する心の蓋がなくなり、晴れやかな気分で自信に満ち溢れた笑顔に変わることができます。
歯の健康にも役立つ
ガミースマイルの治療は、口元をキレイにするのみならず、歯ぐきや骨、歯の位置を整えることによって、歯の噛み合わせも整えられるため、長期的にも歯の健康を保つことに役立てられています。